ADAS車のフロント修理には、認証が要ります
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「ガラスを替えるだけなのに、なぜ整備工場の認証が要るのか」 と思う方は多いはずです。条文を読むと、理由がはっきりします。
条文はこうなっています
特定整備には2種類あります(道路運送車両法施行規則第3条)。第1号から第7号が分解整備、第8号と第9号が電子制御装置整備です。
その第8号が、これです。
八 次に掲げるもの(以下「運行補助装置」という。)の取り外し、取付位置若しくは取付角度の変更又は機能の調整を行う自動車の整備又は改造(かじ取り装置又は制動装置の作動に影響を及ぼすおそれがあるものに限り、次号に掲げるものを除く。) イ 自動車の運行時の状態及び前方の状況を検知するためのセンサー ロ イに規定するセンサーから送信された情報を処理するための電子計算機 ハ イに規定するセンサーが取り付けられた自動車の車体前部又は窓ガラス
「ハ」が効きます。 センサーそのものだけでなく、センサーが付いている車体前部と窓ガラスが条文に書かれています。
だから、こうなります
| 作業 | 当たるか |
|---|---|
| ADAS用カメラが付いたフロントガラスの交換 | 当たる(ハ・窓ガラス) |
| ミリ波レーダーが付いたフロントバンパー周りの板金・交換 | 当たる(ハ・車体前部) |
| カメラやレーダーの取り外し・角度の変更・エーミング(機能の調整) | 当たる(第8号の本文) |
| リアバンパーだけの板金 | 当たらない(前方のセンサーに関わらない) |
| ドアの板金・塗装 | 当たらない |
ただし第8号は「かじ取り装置又は制動装置の作動に影響を及ぼすおそれがあるものに限り」という限定が付いています。車線維持や衝突被害軽減ブレーキに使われているセンサーかどうかが分かれ目です。
自動運行装置(いわゆる自動運転の装置)を取り外す整備は、第9号で別に特定整備とされています。
認証が要るのは「工場ごと」です
特定整備を行うには、事業場ごとに地方運輸局長の認証が必要です(法第78条第1項)。しかも認証は業務の範囲を限定して行うことができる(同条第2項)ので、分解整備の認証はあるが電子制御装置整備は持っていない工場があり得ます。
「認証工場です」だけでは、ADAS車のフロント修理ができるかどうか分かりません。
工場に聞くこと
- 電子制御装置整備の認証はありますか(分解整備だけではなく)
- エーミングは自社で行いますか、外注ですか
- 使う機材と、作業後の確認方法は(メーカーの手順書に沿っているか)
- 特定整備記録簿の写しはもらえますか(法第91条第2項で交付は義務です)
外注が悪いわけではありません。 設備は高価で、全部の工場が持てるものではない。問題は、聞いても答えられないことです。
保険の修理でも同じです
事故の修理を保険で行う場合も、作業の中身は変わりません。 見積書に「エーミング」「スキャンツール診断」といった項目があるか、無ければなぜ不要なのかを確認してください。
認証と指定の違いは認証工場と指定工場はどう違うのかに、数で見た全体像は宮城県の整備事業場にまとめています。
この記事は条文の説明です。 ご自身の車がどれに当たるかは、車種と装備で変わります。工場または管轄の運輸支局にご確認ください。条文は e-Gov法令検索の道路運送車両法施行規則(令和8年10月20日施行)で確認しています。
最終更新:2026年11月6日